ウイスキー愛好の輪を広げるTIPS

テイスティング会を開催するのに、自分のウイスキーの専門知識が必ず必要というわけではない。 新規参加者をウイスキー愛好者の仲間に引き込むための、ソサエティのエキスパートからのヒントを紹介する。

SMWSマスターブランドアンバサダーのジョン・マクチェイン:

最良の方法は、新規参加者にブラインドで(ウイスキーの銘柄などを知らせずに)ウイスキーの匂いを嗅いでもらい、フレーバーに意識を集中させることです。 大抵の人はその心地よさにびっくりさせられるでしょう。

シングルカスクウイスキーの香り(例えば、夏の草原や嵐の中の島の港でのダークチョコレートのかすかな香り)を嗅いだだけで、嗅腺が刺激され、驚きや場合によって驚愕の反応さえもたらされます。 最初の一口は控えめにして、口の中で噛むように味わいます。 次いで、カスクストレングスのウイスキーの強さに備えて、少量の水を足します。

SMWS蒸溜酒マネージャーのユアン・キャンベル :

ウイスキー以外のどんな酒類を参加者が好きかを知っておくことがいい出発点です。

バーボン愛好家には、若いファーストフィルのウイスキーを選べば、この初心者のスコッチドリンカーにとって、馴染み深い領域にすでにいます。 スパイスの利いたラム酒の愛好家には、フルーツケーキ、シナモンとクローブのフレーバーがあるシェリーの風味が強いウイスキーが相性がいいかもしれません。 熟成した蒸溜酒 どうしの近さに気が付くと、新しいことを試すことと未踏の楽しさを持つカテゴリ全体を発見することが容易になります。 もう一つ、ウイスキーに初めて挑戦する人の入門にいいのは、料理と一緒にテイスティングをすることです。 チョコレートはどんな種類のウイスキーにも非常に合いますし、カスクに一般的に感じられるフルーツとバニラのフレーバーを引き立たせます。 また、アルコール度の強い酒類を飲むことに慣れていない人が、チョコレートによってウイスキーの強さを若干受け入れやすくなります。

SMWS名誉アンバサダー(オランダ)ハンス・オフリンガ:

カスクストレングスのウイスキーを飲みなれていない人の場合、私は最初に水を一口含んでからウイスキーを口に含むことを勧めます。 そうすることで、高いアルコール度に圧倒されずにウイスキーが味うことができ、口の中がアルコール焼けせずに済むからです。 ウイスキーを水で薄めるのではなく、逆に水をウイスキーで薄めるという具合です

SMWSアンバサダー(スコットランド/ドイツ)オラフ・マイアー:

大きく異なるウイスキーをセットで選ぶことを勧めます。 ソサエティの12種のフレーバープロファイルも多様なウイスキーを選ぶのに非常に役立ちますし、多様な樽の多様な熟成度合いのウイスキーを選ぶこともできます。 そうすることによって、ウイスキーの様々な色を見せられますし、最初からグラスに多様な色のウイスキーがあれば、これほど目を楽しませるものはありません。 熟成ウイスキーと若いウイスキー、スモーキーなウイスキーとスモーキーでないウイスキーを比べることもできます。 選択肢は限りなくありますが、テーマを一つに絞ることです。最初にやりすぎてはいけません

SMWSアンバサダー(オーストラリア)マット・ベイリー:

私の考えでは、ウイスキーを飲まない人をSMWSのシングルカスク愛好家にする最良の方法は、ソサエティの、一つはグレーンウイスキー、一つはシェリーカスク熟成ウイスキー、もう一つはバーボンカスク熟成ウイスキーを三つのグラスに注いであげることです。

最初はそれぞれのウイスキーの違いにあまり拘らず、ただフレーバーと試飲者の好みに集中します。 グレーンウイスキーから始めます。 小さじ3~4杯の水を加えて、中の甘みが増幅されるのを待ちます。 次に、それを嗅いで、舌を濡らす程度でテイストするように言います。 いいグレーンウイスキーによくある白砂糖のような甘みについて話、引き続きウイスキーの中身ではなく、フレーバーに集中し続けてもらいます。 バーボン樽熟成ウイスキーでも同様にしますが、可能であれば、芳醇、濃厚&ドライフルーツのフレーバープロファイルの、やや重質感のあるウイスキーを使用します。 次に、シェリー樽熟成ウイスキーでも同様にします。カスクの種類や蒸溜所について語るのはまだ先です。まだ詳細には拘らないでください。 まずは、どのカスクが最も口に合うか、どのフレーバープロファイルが最も気に入ったかを確かめ、そこから次に進みます。 ピートウイスキーはどうかですか?誰のウイスキーの旅であれ、ピートのフレーバープロファイルを試すのが「早過ぎる」ということはありません。 ソサエティの「軽いピート」、場合によっては「強いピート」のフレーバープロファイルのウイスキーからも選ぶことをお勧めします。 同僚のSMWSアンバサダーのジョン・マクチェインが、『卒業してシングルカスク入りするのではなく、シングルカスクから出発しなさい』と言っているとおりです