
SMWS フェスティバルボトリング
愛の分かち合い
今月は、フェスティバルシーズンを記念して発売されるシングルカスクのスペシャルボトルのカルテットに加え、ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティのスピリッツチームが愛を込めて開発し、キュレーションしたスモールバッチの素晴らしいセレクションを会員の皆様向けにご紹介する。
写真: SMWSのウイスキー開発責任者であるユアン・キャンベル
シングルカスクは素晴らしく、美しく、貴重なものであることは、ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティの全員が同意するところだろう。しかし、時には私たちも、1つのホグスヘッドから提供される250本ほどのボトルよりも、もう少し愛を広げたいと思うこともある。
そこで、このたびのフェスティバルシーズンには、6種類のスモールバッチ・シングルモルトと、今回限りのカスタムメイドのスモールバッチ・シングルグレーンのラインナップをご用意した。
これらの各リリースにつき、1,000本強から2,000本以上のボトルを用意した。それぞれ、スピリッツチームが5~10種類の樽を使用して製造したものである。
「今年のフェスティバルシーズンには、優れたシングルカスクのボトルに加え、7種のスモールバッチ製品を組み合わせた素晴らしいコレクションをご用意しています」と、SMWSのウイスキー開発責任者であるユアン・キャンベルは語る。
「各ケースにつき5~10種類のカスクを使用することで、さまざまなフレーバーを試すことができました。また、これらのウイスキーをよりグローバルに分かち合えます。フェスティバルの肝は人々を結びつけることなので、今年はそれを少し大きな規模で実施できればと思っています。
「いずれもカスクストレングスでボトリングされており、それぞれに独自の『カスクビル』のレシピがあります。興味深い特別な製品をお届けするために、多様なカスクをさまざまに組み合わせました。」
これらのスモールバッチシリーズは、ピーテッドが特徴のアイラ島蒸溜所3番「精緻な香炉」や蒸溜所53番「ハニーサックル ペトリコール」から、ライトリーピーテッドのキャンベルタウンの蒸留所93番「ロック、ストック、煙る2本のフェンネル」に至るまで、お好みに応じて幅広いフレーバープロファイルを用意している。
写真: 蒸留所からの珍しいリリース 3:精緻な香炉

写真: 蒸留所 24「オーク‼」
シェリーファンには、蒸溜所24番の「オーク‼」と蒸溜所68番の「お菓子コンテスト」がお薦めだ。一方、蒸溜所64番のスモールバッチ「しっとりとしたヴェルヴェット」は15年熟成だが、オールド&ディグニファイドの風味をしっかりと備えている。
「このラインナップは、フレーバーが非常に多様なことが特徴です。普段はそこまで地域にこだわることはありませんが、この時期だけは例外です」とユアンは言う。「ピーテッド製品は、軽くてフローラルなものから、塩味のあるメディシナルスタイルまで、さまざまな種類をご用意しています。他方、シェリー樽熟成にも力を入れています。シェリー樽が大好きな私たちにとっては驚くことではありませんが。
「個人的に気に入っているのは、蒸溜所64番からリリースされた『しっとりとしたヴェルヴェット』です。15年熟成ですが、テイスティングパネルがオールド&ディグニファイドのフレーバープロファイルに分類していますので、熟成カスクの質の高さが証明されたと言えます。
このカスクはバーボンホグスヘッド、アメリカンオークのペドロヒメネス、スパニッシュオークのオロロソで作られています。バタースコッチ、ホイップクリーム、バニラのすべての香りがあり、非常に退廃的な味わいです。」
これらのシングルモルトの中でも異彩を放っているのは、蒸留所G16番のスモールバッチのシングルグレーン「ダークアンドストーミークレームドブリュレ」だ。

写真: 蒸溜所64番からリリースされた『しっとりとしたヴェルヴェット』は15年熟成ですが、テイスティングパネルがオールド&ディグニファイドのフレーバープロファイルに分類していますので、熟成カスクの質の高さが証明されたと言えます。
写真: 「2016年4月に蒸溜所156番でバーボンスタイルの独自のマッシュビル(穀物の混合割合)を蒸溜する特別プロジェクトを実施し、カスタム蒸溜を行ったときの成果なのです。
「G16番の『ダークアンドストーミークレームドブリュレ』には、興味深い裏話があります。ソサエティでボトリングした16番目のグレーンウイスキーとなるため、新しい蒸溜所コードが与えられました」とユアン。「2016年4月に蒸溜所156番でバーボンスタイルの独自のマッシュビル(穀物の混合割合)を蒸溜する特別プロジェクトを実施し、カスタム蒸溜を行ったときの成果なのです。
「『大西洋を越えて』というテーマにインスパイアされて複数種類の穀物を使い、トウモロコシ58%、大麦麦芽21%、麦芽化していないライ麦21%のマッシュビルを作りました。グレーンウイスキーとしては珍しいポットスチルで蒸溜し、米国のケルビン樽工場製の新しいオーク樽(24か月間天然乾燥させたヘビーチャーのもの)で熟成させました。さらに樽のヘッドをトーストすることで風味をより高めています。米国特有の『ボトルド・イン・ボンド』の強い酒にちなんで、6年熟成、アルコール度数50%でボトリングしました。
世界に1つしかない、2度と同じものは作れないカスタムの美味しい蒸溜酒です。」
目に留まったウイスキーが何であれ、そのコルクを開けて、ウイスキーの旅に身を任せることをユアンは勧める。
「私にとってのフェスティバルシーズンの醍醐味は、ウイスキーを通じて人々を結びつけることであり、それはソサエティがいつも行っている取り組みでもあります」と彼は言う。
「アイラ島のフェスティバルは、世界中から集まった多くの素晴らしい人たちと出会い、素晴らしい思い出をたくさん作る機会です。しかし、アイラ島に来れない皆さんのためにも、私たちはこれらのウイスキーでフェスティバルの精神を少しでもお届けしたいと考えています。仲間意識を持って集まり、ゆったりと腰を下ろして、自分にとって大切な人たちとグラスを分かち合うこと。これ以上の望みはありません。」
PICTURED: The magnificent seven small-batch festival bottlings for 2023